鍼灸の考え方
東洋医学と現代医療の中心とされる西洋医学では、病の原因に対する見方が違っています。東洋医学では先人の豊富な臨床経験をもとに独自の医学体系をつくり上げてきました。人間の身体は五臓六腑を中心として一つの身体を形成して一つの身体を形成しており、このバランスが崩れたときに病気が発生すると考えられています。例えば鍼灸では臓器を直接治療するのではなく、体表にあるツボに働きかけることによって内蔵の機能を整え、身体全体の調和を図ります。一方、西洋医学では病気の原因となるウィルスや臓器を取り除くことでピンポイントに治療します。
経路ってなに?
古代中国では自然界に存在するものすべてには「気」が宿っていると考えらえていました。気は目には見えないもので、その機能だけが存在します。経路は身体の内部である五臓六腑と外部である体表(皮膚や手や顔)を結ぶ通路のようなものです。気・血は経路によって筋肉、皮膚、組織を循環して、その機能を調節します。つまり経路があることによって、身体内部の異常が外部に出てくるため、鍼灸によって治療することが可能となります。
ツボってなに?
鍼を打ったり、お灸をすえたり、指圧やあん摩をする経穴(ツボ)。何となく知ってはいるものの、「どうしてツボをおさえると身体が軽く感じるのか」。それは、東洋医学の理論に基づいた治療法だからです。
東洋医学では、”気血は経路を通り、全身の元気をつかさどる”と考えます。経路が何らかの作用で滞ることで、病に至るといわれます。経路が滞った経路を改善するために、経路の各所にあるポイントの経穴に鍼や灸、指圧を施して、気血の流れをスムーズにします。
鍼灸治療のベース「経穴(ツボ)」が世界統一基準に
鍼灸は3000年以上の長い歴史があるだけに、ツボの名称や位置に違いが生じてきました。世界的に東洋治療への関心が高まるなか、WHO(世界保健機関)がこの問題に関与し、1989年に名称が統一され、2006年の国際会議で361穴の位置が決まり、統一されました。2009年からは世界基準に従い、日本の鍼灸養成施設でもWHO方式を採用することが決定されました。ツボの国際統一は、各地で様々な影響を受けて、位置や名称にズレが生じていたものを標準化し、座標を整えたということになります。医学的な研究や臨床比較を推進するためのスタートです。
鍼灸の効果
鍼や灸で人間の身体に刺激を与えると、防御反応として中枢神経内にモルヒネのような役割をもったホルモンが放出されます。この物質(内因オピオイド)が痛みを抑え、また痛みを脳に伝える神経経路をブロックします。鍼灸が痛みを緩和する効果が高いのも、このメカニズムが働くからです。また、神経を刺激して血行を促進し、痛みに対する効果だけなく、自律神経に働きかけ、体内のバランスを整えてくれます。また、2010年には、大規模な臨床試験の結果、鍼治療は頭痛、片頭痛、腰痛、上腕骨外上顆炎(テニス肘)については通常の医療と同等に効果があると発表されました。WHO(世界保健機関)でも、さまざまな症状や疾患について鍼灸療法が有効である可能性を示しています。
料金表
自費メニュー
5,000円
3,900円